少女はいつまで夢を見る

夏の暑さに顔をしかめながら睨んだ太陽は眩しすぎて熱い。少しも似合っていないと思う制服の、スカートの裾を揺らしながら向かう先は夜の繁華街で、人の波に紛れて自分を忘れそうになった。雑音をシャットアウトする大音量の音楽だけが心震わす。独りは寂しくて自由だから、私はこのまま独りきりで生きていきたいと思う。誰にも惑わされず、誰の目も気にせず、生きていきたい。けれどそんな生き方をするには私はまだ子どもで、そのことがあまりにも歯痒くて、今日も宛てなく街をさ迷うだけだった。