あの頃の嘘を無かったことにしたくて

愛してる、大好き、ずっとそばにいるよ。全部全部嘘だった。私の口をついて出た言葉は皆んな嘘だった。そんな嘘を全て信じていた君はもういないし、吐いた嘘は嘘にならないし、私の中には後悔だけが残ってる。もう嘘はつかないと心に決めて新しい人と始めた恋愛は、悲しいものだった。私は本当のことしか言わなかった。愛してるには有難うを、大好きには嬉しいを、ずっとそばにいるよにはそうだったらいいなを。彼は満たされないと言って去って行った。私はどうすれば良かったのと泣いても、言葉をかけてくれるような人は残ってなかった。私はまた一人になった。嘘も本当も誰かを傷つける。八方塞がりだ。私は暗い穴に落ちていくような感覚を、仕方なく抱き締めた。